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旅は冒険に満ちすぎる。インドネシア孤島編(1)


旅は冒険に満ちている。 

見知らぬ土地、そこで出会う人々、初めて口にする料理。 

冒険のためには、心と体が健康で完全に一致していることが大切だ。
見知らぬ土地の人々と出会い、言語を駆使し、コミュニケーションを操る
人間の知能はなんと素晴らしいことだろう。  
私ごとき人間にもその知能が備わっている摩訶不思議。 

しかし、その知能システムは脆弱すぎる代物だったと痛感、
いや、撃沈、玉砕と言うに等しい状態に陥った旅の思い出がある。

思い出すも恐ろしいが、インドネシア孤島へのひとり旅の話をはじめよう。 

この旅のおかげで、湾岸戦争が勃発した日のことを
いつでも鮮烈に思いだすことができるのだから。。。 


オーストラリア人の老人が、「日本語放送を聴いておけ」と押し付けてよこしてくれた短波ラジオ。 

場所は平和なコテージ。海風が吹き抜ける食堂だった。 
青く澄みきった海と白い砂がまぶしすぎて、レストランの中は暗く見える。 

私は見守る老夫婦の前で、小さな携帯ラジオをチューニングする。

ラジオジャパンの抑揚のない(ロボットみたいな)日本語が流れてくる。 

日本の自衛隊はアメリカの多国籍軍に参加を表明。イスラム圏では暴動が起きる可能性もあり日本人は安全確保に努めること。現在、イスラム圏から日本へ帰国する日本人が相次いでいる。という内容だったと思う。 

「あなたも帰った方がいいかもしれない」と老夫婦は言う。 

帰った方がいいったって、どうやって帰るというのか。
次の舟が島に来るのは明後日だし、何より帰りの航空チケットはオープンで、
まだフィックスしていないのだ。 

参ったな。。。と考え込んでしまう。

ここには電話もない。日本人もいない。
緊急に対処できることなど何一つない。
私はインドネシアのメノという島にいた。


つづく

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